映画『ノーカントリー・オールドマン』のあらすじ・考察・感想【ネタバレなし】

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2008年3月に劇場公開された『ノーカントリー』の予告編動画は、こちら

ギャングの200万ドルを奪った、彼を追う最凶の殺し屋、事件の謎に迫る保安官

アメリカとメキシコの国境地帯を舞台に、息づまる戦いの果てに3人の男たちの運命は予測もしない結末を迎える!

『ノーカントリー』は、コーエン兄弟製作のサスペンス映画。

3人の男が織りなす追跡劇

ベトナム帰還兵でギャングの200万ドルを奪った男、彼を追う最凶の殺し屋、事件の謎に迫る昔かたぎの保安官

この3人を主軸に、偶然に麻薬密売に絡んだ大金を手にした男が、お金を持ち逃げして、組織と殺し屋に追われるお話・・・そこに保安官も加わって3者3様のドラマが展開される。

『ノーカントリー』は、独特の緊迫感と恐怖の演出で 人間と社会の本質をあぶり出す!

気味が悪い殺し屋登場

なんといっても、この映画の最大の見所は ハビエル・バルデム演じる家畜屠殺用高圧ボンベを持ち歩く危険な殺し屋にして、サイコパスなアントン・シガーの存在感。

主人公・モスを追う殺し屋として登場し、結果として出会った人間のほとんどを殺害する。

無関係の人間もコイントスして殺すかどうか決め、ほとんど表情も変えずに作業的に殺していく様は人間味が全く無く、挙げ句の果てに自分を雇ったマフィアのボスまで殺害するサイコパスぷりっを発揮する!

サイコパスとは?

サイコパスとは、「感情の一部が欠如している」精神病質者のことで、自分以外の人間に対する「愛情」「思いやり」などの感情が著しく欠けており、そのためにきわめて自己中心的に振る舞う傾向があり、道徳観念や倫理観、あるいは恐怖などの感情もきわめて乏しい。

本作に登場した殺し屋シガーは、まさにサイコパスを絵に書いたようなキャラクター!

その演技でアカデミー賞・助演男優賞

バルデムの演技がすごい!気持ち悪い!非情で不気味で、危険な男シガー役が強烈にはまっている・・・あの七三に分けた変な髪型も 不気味さを一層助長しているオカッパヘアー!

本作で不気味な殺し屋を演じた スペイン人俳優ハビエル・バルデムは、2007年度の第80回アカデミー賞で助演男優賞を獲得!

バルデムは2001年にも『夜になるまえに』でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされましたが、このときは、『グラディエーター』のラッセル・クロウが受賞しました。

世界の数々の映画祭でも受賞

『ノーカントリー』は、2007年度の第80回アカデミー賞で8部門にノミネートされ、作品賞・監督賞・助演男優賞・脚色賞の最多4部門を受賞。

世界の映画賞では163 受賞・134ノミネートと各国で高く評価され多くの映画賞を受賞!

日本でも2008年度の「キネマ旬報」外国語映画ベスト・テン第1位を獲得。

ノーカントリー』は、映画化もされた『すべての美しい馬』(00)、『ザ・ロード』(08)で知られるピューリッツァー賞作家コーマック・マッカーシーの著書「血と暴力の国」の映画化作で、監督は『ファーゴ』(96)で知られる、ジョエル&イーサンのコーエン兄弟。

監督はコーエン兄弟

少年時代から映画オタクだったコーエン兄弟は、基本的に2人が共同で監督・脚本・製作に携わっており、犯罪・スリラー・コメディを混ぜ込んだ独特の作風で、一般よりはマニア受けする作品が多く公開されています。

ジョエルイーサンコーエン兄弟は、カンヌ国際映画祭の常連であり、『バートン・フィンク』(1991年)で同映画祭初の主要3部門を制覇したのを皮切りに、『ファーゴ』(1996年)、『バーバー』(2001年)でも監督賞を、『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(2013年)で審査員特別賞をそれぞれ受賞している。

二人は、名実ともに現代のアメリカ映画界を代表する巨匠として注目を集める存在であり。

2つの才能が生み出す映像とストーリーは、高く評価されています。

映画『ノーカントリー』のあらすじ

追う男と、追われる男

メキシコ国境に近いテキサスの荒野・・・。


荒野で狩りをしていたベトナム帰還兵のモスは、麻薬取引中に銃撃戦が行われたと思しき現場に出くわす。

複数のギャング共の死体の近くには、200万ドルの大金が残されていた!


危険と知りつつも、彼はその金を持ち帰ってしまう。

モスは逃走するが、ギャングに雇われた殺し屋シガーは、置き去りにされたトラックからモスの身元を割り出し、邪魔者を次々と殺しながら執拗に彼の行方を追う。


事件の発覚後、保安官のベルは二人の行方を探るが、彼らの運命は予測もしない衝撃の結末を迎える……。

キャスト

トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン、ウッディ・ハレルソン、ケリー・マクドナルド、ギャレット・ディラハント、テス・ハーパーなどが出演。

ノーカントリー 考察

ノーカントリーはコーエン兄弟の映画で、多くの解釈が生まれています。

人間の欲望、無常さ、死の避けられない運命がテーマで、特に冷酷な殺し屋のコイン投げシーンは命の偶然性を象徴しています。

欲望も深く探求され、物語のマネーバッグは欲望の象徴となっています。

独特のストーリーテリングと予測不可能な緊張感が観客を引き込んでおり、哲学的テーマと独特なストーリー展開が、ノーカントリーをただのスリラー映画以上のものにしています。

これらの要素が多くの観客に新しい視点を提供し、ノーカントリーが多くのファンを持つ理由です。

感情のない殺人鬼が追ってくる

一切の感情抜きに、完璧に仕事をする殺し屋シガー”人間ターミネーター”並みの怖さ!

追う男と、追われる男・・・どちらも見た目以上に用心深く 頭がきれるので、その攻防戦が見ごたえ十分。

『ノーカントリー』は、血生臭い物語を 乾いた暴力と おかしなユーモアで織り交ぜた仕上がりのユニークな作品。

原題『ノーカントリ― オールドメン』とは、”老いた者に 居場所はない”・・・と。

作品情報

製作国:アメリカ

監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン

上映時間:122分

日本劇場公開日:2008年3月15日公開

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