鬼才『ギレルモ・デル・トロ監督』のおすすめ映画を紹介:魅了される魅惑の世界!

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美しくも残酷な世界観

ギレルモ・デル・トロはメキシコを代表するフイルムメーカーで、SFからゴシックホラーまで幅広い作品を手掛け、何より独自の世界観で高い評価をされている監督です。

その映像世界は異彩を放ち、悪魔や怪獣、幽霊など異形のモチーフを圧倒的な映像美で表現し、時には美しくも残酷な世界観で魅了し、確固たるポジションを築き上げています。

特殊メイク分野の出身だけに造形へのこだわりは凄まじく、作品中で見られるギミック満載の小道具やダークでスチームパンク的なセット、ユニークで奇怪で生々しいクリーチャーなどは「デル・トロ節」ともいえる様式美を確立しています。

ホラー映画が大好き!

デル・トロ監督の作品の多くは、どちらかと言えばホラー要素が強く不気味な印象があります・・・というのも監督は、子供の頃からホラー系のコミックが大好きだったそうです。

さらにデル・トロは映画学校で専門知識を学んだ後、ホラー映画に興味を示しました。

そこで監督は、あの『エクソシスト』でリンダ・ブレアの特殊メイクを手がけたディック・スミスに師事し数々の映画制作に参加しメイクアップ・アーティストとして活躍しました。

やがて自ら特殊メイクの会社「ネクロピア」を立ち上げ、1992年には長編『クロノス』で映画監督としてデビューを果たします。

『クロノス』は、不老不死をテーマに描いたダークホラーで、本作にもクオリティの高いユニークなモンスターが登場しています。

この作品は、メキシコ・アカデミー授賞やカンヌ国際映画祭の「批評家週間グランプリ」に選ばれ、映画界で一躍脚光を浴びる事になったデル・トロ監督の原点ともなる作品です。

話題作が次々とヒット!

以後は、『ミミック』『デビルズ・バックボーン』『ヘルボーイ』『ブレイド2』『パンズ・ラビリンス』など、ホラーやSFアクション、ファンタジーの話題作を次々と世に送り出し、映画ファンにその名を知らしめました。

2017年のシェイプ・オブ・ウォーターでは、第90回アカデミー作品賞をはじめ数多くの映画賞を受賞し、その地位を不動のものとしました

不気味なキャラクターが数多く登場!

デル・トロ監督の映画には、ほかに類を見ないほどの不気味なキャラクターが数多く登場します・・・その不気味さは、作品の美しさと面白さを際立たせる要素となっています

アカデミー賞を受賞した監督の代表作『パンズ・ラビリンス』は、1944年の内戦後のスペインを舞台としたダーク・ファンタジー作品で、美しい映像とは裏腹に激しい暴力描写やグロテスクで薄気味悪いクリーチャー「ペイルマン」が描かれ、多くの人の心にトラウマを植え付けました。

近未来とSF作品

一方で、近未来を舞台とした作品もあり、1997年に公開された『ミミック』では、謎の伝染病が流行っている近未来を舞台に、遺伝子操作をキーワードに物語が進んでいきます。

また監督の名を一躍世界に広めた『パシフィック・リム』も近未来が舞台で、どちらかと言えばSF映画にありがちな設定・・・しかし、突如、海溝の裂け目から現れ“Kaiju(怪獣)”に巨大ロボットで立ち向かう展開は斬新で迫力があり、何より“Kaiju”というネーミングに多くの日本人がハートを掴まれました。

ギレルモ・デル・トロは、日本カルチャーにも造詣が深い

デル・トロ監督は、日本のアニメや特撮などのカルチャーによる影響を受けたと言い、影響を受けた作家として円谷英二やスタジオジブリ、大友克洋などを挙げ、中でも押井守には格別のリスペクトを表しています。

押井の監督作でも『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』が大好きのようです。

特殊効果の魔術師たち

映画での特撮や特殊効果は、巨大なスクリーンに突如として現れる想像上のモンスターたちに驚異的な映像表現や変化をもたらしています。

2022年に公開された『クリーチャー・デザイナーズ』は、ハリウッド映画で活躍する特殊効果アーティストたちの素顔に迫ったドキュメンタリーで、「スター・ウォーズ」で特撮を手掛けたフィル・ティペットや「メン・イン・ブラック」で特殊メイクを担当したリック・ベイカーが、仕事へのこだわりとその舞台裏を明かしています。

これまで特殊効果を活用してきたギレルモ・デル・トロやジョー・ダンテなども登場し、ゼロから生命を作り出すスペシャリストたちの、クリーチャー制作現場と誕生秘話などを紹介しています。

SFからゴシックホラーまで、異形のモチーフを圧倒的な映像美で表現!

ギレルモ・デル・トロ監督の代表作一覧

SFホラー『ミミック』(1998年)

未知の伝染病を絶滅すべく、科学者チームが開発した奇跡の治療法は恐怖の進化を遂げる。

病気の感染源がゴキブリで、その造形は遠くから見ると完璧に人間のシルエットで好奇心で近づくと、完全に昆虫! この恐怖のギャップが本作の魅力で、得体の知れない生き物や、いったい何が起きているのが分からないじわじわとした恐怖がゆっくりと進んでいく。

アッ!と息を呑む衝撃とスタイリッシュな映像のヒット作!

怨霊ホラー『デビルズ・バックボーン』(2001年)

両親を亡くしたカルロス少年は、人里離れたサンタ・ルチア孤児院へと連れてこられる。
彼には空いている「12番」のベッドが与えられた・・・その日からカルロスは、夜毎どこからともなく聞こえてくる囁き声に悩まされる。

そしてついに彼は「それ」を目撃してしまう!内戦下スペインの人里離れた孤児院でおこる怪奇現象を描き、息を飲む鮮烈な映像と胸を打つ人間ドラマが見事に融合した傑作。

『ブレイド2』(2002年)

より凶暴な新種のスーパー・ヴァンパイアの脅威に対抗するため、伝説の戦士ブレイドと、その師・ウィスラーは不倶戴天の敵と手を組むことを決意する。

ヴァンパイアと人間の混血児であるブレイドの戦いを描き、カルト的人気を誇ったオリジナルの傑作『ブレイド』に続き、デル・トロ流の見事なコマンド演出が炸裂する一作。

『ヘルボーイ』(2004年)

本作では人間くささをもったモンスターが魅力的!怪力で鬼のような形相なのに、どこかチャーミングなヘルボーイが純真でカワイイ!

ナチスの実験によって人間界に迷い込んだ全身真っ赤な悪魔の子ヘルボーイが、人間の養父に育てられ、正義のために戦う物語。 

迫力のアクション場面に加え、ヘルボーイと仲間たちのコミカルな掛け合いも見どころ。

『パンズ・ラビリンス』(2007年)

1944年のスペイン内戦下で、父を亡くした少女・オフェリアが異世界の迷宮で姫になるため3つの試練に挑む姿を描きます。

オフェリアが迷い込む迷宮世界は不気味で美しく、番人の牧神・パンや、手のひらに目のついた怪物・ペイルマンなど、迷宮に潜む謎めいた生物たちのインパクトも強烈!牧神の迷宮での冒険が始まる。

細部までこだわったクリーチャー造形や、ファンタジックで耽美な世界観など彼の個性が凝縮された本作はデル・トロ監督作の代表作ともいえます。

『パシフィック・リム』(2013年)

太平洋グァム沖の深海に割れ目が出来た!そこから巨大怪獣が現れた。

湾岸諸国は人型の迎撃兵器イェーガーで撃退を試みたが、次々に出現する怪獣に人類は追い込まれていった。

怪獣と巨大ロボ・イェーガーとの戦闘も臨場感があり大迫力!これぞ怪獣映画。

当時のロボット実写映画としては、約1億9000万ドルという破格の製作費がつぎ込まれたVFXの超大作、全世界で大ヒットを記録!

続編『パシフィック・リム:アップライジング』は、製作をデル・トロで別監督。

デル・トロ監督は日本のロボットアニメゴジラなどの怪獣映画が大好きで、本作には監督のカイジュウ愛がぎっしり詰まった作品に仕上っています。

ラストのエンドクレジットには「この映画をモンスターマスター、レイ・ハリーハウゼンとゴジラの生みの親・本多猪四郎に捧ぐ」と綴られています・・・さすがの特撮オタクです。

『クリムゾン・ピーク』(2015年)

父の死をきっかけに、トーマスと結婚したイーディスは彼の屋敷で暮らすことに・・・その場所こそ「クリムゾン・ピーク(深紅の山頂)」だったのだ。

ギレルモ・デル・トロ監督自身が「世界で最も美しい映画」だと語る本作は、冬になると地表の赤土が雪を紅く染める丘にそびえる不気味な屋敷で、彼の姉ルシールと暮らすことになったイーディスは、やがて幻影や亡霊にさいなまれるようになりその土地の恐ろしい秘密を知ることになる。

「クリムゾン・ピーク」は、約100年前のニューヨークの雰囲気や登場人物の衣装などが、ゴシックテイストの映像で表現され、恐怖と美しさが融合したサスペンスホラー!

『シェイプ・オブ・ウォーター』(2018年)

冷戦下のアメリカ・・・政府の極秘研究所で清掃員として働く女性イライザは、研究所内に密かに運び込まれた不思議な生き物を目撃する。

幼少期のトラウマで声が出せないイライザだったが“彼”とのコミュニケーションに言葉は不要で、2人は少しずつ心を通わせていく。

しかし”彼”が実験の犠牲になる事を知ったイライザは、国を敵に回す覚悟で”彼”の救出へと動きだす。

デル・トロの十八番である”半魚人”のクリチャーの造形が非常に神秘的で美しく

表情や動きも滑らかで目が離せない!

種族の壁を通り越し愛を凝縮した本作は、、第74回ヴェネチア国際映画祭や第90回アカデミー賞では、同年最多の全13部門にノミネートされ、作品、監督、美術、音楽の4部門を受賞。本作はデル・トロ監督にとって最も大きな成功作品ともなりました。

『スケアリーストーリーズ 怖い本』(2020年)

ハロウィンの夜、町外れにある屋敷に忍び込んだ子どもたちが一冊の本を見つける・・・その本には数々の恐ろしい話がつづられており、本を持ち帰った次の日から、子どもがひとりまたひとりと消えていく。

さらに、その「怖い本」には、毎夜ひとりでに新たな物語が追加されていき、子供が消えていく。

デル・トロが企画・製作を手がけ、恐ろしい内容や挿絵のために全米で学校図書館に置くことに対する論争が巻き起こった児童書シリーズを映画化。

『ナイトメア・アリー』(2022年)

ショービジネスでの成功を夢みる野心にあふれた青年スタンは、人間か獣か正体不明な生き物を出し物にする、怪しげなカーニバルの一座とめぐり合う。

そこで読心術の技を学んだスタンは、人をひきつける天性の才能とカリスマ性を武器に、トップの興行師となる・・・しかし、その先には思いがけない闇が待ち受けていた

1946年に出版された名作ノワール小説「ナイトメア・アリー 悪夢小路」を原作に、野心にあふれショービジネス界で成功した男が、思いがけないところから人生を狂わせていく様を描くサスペンス・スリラー。

本作は第94回アカデミー賞では作品賞、撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞の4部門に堂々のノミネートを果たしました。

ダークでグロな世界に魅了される

デル・トロ作品の多くは『パンズ・ラビリンス』のように、ホラーなのか?ファンタジーなのか? 残酷童話が美し過ぎてわからなくなります。

また、ダークでグロな作風で唯一無二の世界観をみせてくれる映像に魅了されます。

ナイトメア・アリー(悪夢小路)は、その神秘的な映像と雰囲気で悪夢のような結末にたどり着く物語で、人間の狂気がどんどん重なっていく・・・まさにデルトロワールドの世界!

デル・トロ作品は、奇怪なモンスターたちと人間を対比させることで、モンスターを上回る ”残酷さを持つ人間”の姿が糾弾されています。

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