「罪の声」のキャスト・あらすじを簡単に紹介【2021年の日本アカデミー賞作品】ネタバレあり

邦画
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概要

実際にあった昭和最大の未解決事件(グリコ・森永事件)をモチーフに過去の事件に翻弄させられる2人の男の姿を描き、第7回山田風太郎賞を受賞するなど高い評価を得た塩田武士のミステリー小説「罪の声」を、小栗旬星野源の初共演で映画化。

あらすじ

昭和に起きた未解決の「ギンガ・萬堂事件」の真相を探るべく、報道マンの阿久津(小栗旬)はロンドンに調査に行き、日本に戻ってからは株の売買で儲けた者がいたのではと探っていました。
ギン・萬事件で脅迫を受けた会社は株価が下がり、その空売りで犯人は利益を得た…しかし、誘拐事件で身代金を要求していたのは何故かという新たな疑問が浮かび上がります。
ヒントとなるキツネ目の男の行方を追う中、「し乃」という料理店に行きつきました。
そこで曽根(星野源)という男も事件の真相を追っていると知り、彼の勤めるテーラーへ。
曽根は阿久津が報道のために真相を追っていると考えてその日は追い返します。
実は曽根は最近になって「1984」と書かれたテープを見つけました。
子供の頃、誘拐事件用の道順を録音させられていたと気付き、父の遺品の録音テープや手帳を手掛かりにして何があったのかを探っていたのです。
すると、犯人の一人である生島が自身の子供たちの声を録音したこと、子供たちはまだ生きているかもしれないことなどを突き止めました。
阿久津と協力すれば生島の子供たちの行方を追えるかもしれない…そう考えた曽根は彼と事件を追う決意をしました。

生島の息子の居場所を知った2人は会いに行き、それまでの出来事を聞きます。
彼の姉は亡くなっており、暴力団の青木も関わっていたことなどを知った阿久津は思い当たるふしがあってロンドンへ。
情報筋から曽根のおじにあたる達雄の居場所を突き止めて会いに行き、彼から事件の真相を聞くのです。
1983年、元刑事の生島がロンドンにいた達雄に会いに来て、ちょうど誘拐事件が話題になっていたことから金儲けのための計画を練ります。
身代金の受け渡しは失敗しやすいことから、株価の空売りを利用して儲けようという算段でした。
生島は青木を始めとした仲間を募り、計画を実行。
しかし、元手となる金の借入先への支払いが増えたことで、すぐに大金は得られず…生島は身代金を狙う行動を取ろうとしますが、青木は血気盛んな彼を始末すべきと考えたのです。
達雄は生島の死を知って急いで家族を避難させてからロンドンへ戻って今に至るのです。
阿久津は達雄に生島の家族は青木に見つかって監視下で過ごし、その過程で生島の息子は姉の死を目の当たりにして母とも別れて孤独に生きていたことを知らせました。

一方、曽根は母が「1984」のテープを探しているのを見て驚きの事実を聞くことになります。
母は学生時代に社会運動をし、達雄と知り合いました。
その後、結婚した彼女は夫の弟が達雄だったと気付き、後日彼が会いに来た際に誘拐事件の計画を知ります。
元々、社会に一矢報いたいと思っていた母は曽根の声を録音して達雄に渡した…曽根は驚くばかりです。

―そうして阿久津は事件の真相を報道し、達雄は母との再会を果たして事件は幕を閉じます。

日本アカデミー賞受賞

■優秀作品賞

■優秀監督賞・・・土井裕泰(「麒麟の翼 劇場版・新参者」、「映画 ビリギャル」)

■優秀脚本賞・・・野木亜紀子(「逃げるは恥だが役に立つ」、「アンナチュラル」)

■優秀主演男優賞・・・小栗旬

■優秀助演男優賞・・・宇野祥平、星野源

■優秀撮影賞・・・山本英夫

■優秀照明賞・・・小野晃

■優秀音楽賞・・・佐藤直紀

■優秀美術賞・・・磯見俊裕/露木恵美子

■優秀録音賞・・・加藤大和

■優秀編集賞・・・穗垣順之助

作品の元になった実際に起きた事件

グリコ・森永事件をモデルにした「ギン萬事件」を作中で扱っている

「グリコ・森永事件」は、「かい人21面相」を名乗る犯行グループが食品会社6社を次々に脅迫。「どくいり きけん たべたら しぬで」との脅し文句とともに、青酸ソーダ入り菓子をばら撒くという手口で国民をパニックに陥らせ、被害企業は株価暴落など経営に大きな打撃を受けた。

一方で犯行グループは「けいさつのうそはごう盗のはじまり」「あほあほと ゆわれてためいき おまわりさん」など、警察を揶揄する〝挑戦状〟をマスコミ各社に送付。

凶悪犯であると知りつつも、どこか憎めない軽妙さを伴った彼らの一挙手一投足に、国民の目は釘づけとなった。

1985年8月12日、かい人21面相は、「くいもんの会社いびるの もおやめや」との〝終息宣言〟を残し、闇に消えた。

感想

映画全体の見どころ

誘拐事件で声を使われていたと知らずに幸せな家庭を築いていた曽根と、子供の頃から罪の意識に苛まれていた生島の子供たちの明暗がはっきり表れていて印象に残る映画でしたね。
少しずつ「ギンガ・萬堂事件」の真相に近づいていって、最後には曽根の母に関する驚きの展開も待っていたストーリーは見入ってしまいました。
そして、主演を務める小栗旬と星野源の二人の演技は真に迫っていてとても引き込まれます。
特に曽根が自身の声が犯罪に使われていたシーン、阿久津は社会部の報道をしていた際のインタビュー時の気持ちを語るシーンが良かったですね。
そんな阿久津と曽根がそれぞれの視点で事件を追いつつ、両者の行動シーンがバランスよく構成されていたのも凄いなと思いました。
映画全体を通してミステリーとして楽しめる一方で、一つの事件をテーマにしたサスペンスとしても深堀りされていくのが見どころでした。

事件と関係者の見どころ

大手菓子メーカーを相手にした脅迫と誘拐の事件は、新聞社や警察を相手にからかうような文言も多くて愉快犯のような雰囲気もあったのが印象的です。
しかし、綿密に計画されていたことにより株の空売りによって儲けようとしたり、事件を起こした犯人グループは様々な悶着を起こしていたりと、映画の後半は目が離せない展開が続きました。
そんな30年前の事件を知って曽根は自身の声がなぜ使われたのかを知ろうとする中、自分と同じように声を使われた生島の姉弟の存在を知って行くのも見どころです。
当時の学校関係者から話を聞き、姉弟は生きているかもしれないと思うのですが犯人の情報を持つ関係者は口を閉ざすことが多かったですね。
青木がヤクザだったこともあると思いますが、「関わってはいけない」、「黙っているよう言われた」という心境が働いたのだと考えられます。
それでも曽根と阿久津は諦めずに事件を追う姿は応援したくなりました。

心打たれるシーン

映画を見ていて心が動かされたシーンも多かったです。
切なさを感じたのは生島の娘が翻訳家を夢見て諦めたくない一心で家出をしようとしたシーン…彼女の懸命さを見届けたくなる一方で、キツネ目の男に見つかってしまい車にはねられて亡くなってしまうのには驚愕しました。
事件関係者はきっと生きていると思って見ていただけに、曽根も彼女の死を知って同じ心境になったと思います。
また、生島の息子もその現場を目の当たりにし、青木の元から逃れられずに生きていったり、ようやく離れられたと思ったら目を患ってしまったり…生島の師弟の様子は切なくなる場面が多くて印象に残りました。
ラストで達雄が生島の娘が事故に見せかけられて殺されたのを知らなかったは意外です。
達雄は一家を無事に逃したと思っていたため、それまで罪悪感は無かったと思いますがどういった心境を抱いたのか…結局、彼は再び姿を消したのを考えると計り知れないなと思いました。

予告動画

 

 

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