映画「人魚の眠る家」は、どんな話なのか?あらすじ・ストーリー・内容・感想【ネタバレなし】

人魚の眠る家 邦画

数々の著書が映画化されてきた人気ミステリー作家・東野圭吾による同名ベストセラーが原作。また、こちらの著書は、東野圭吾デビュー30周年記念作品。

監督は「20世紀少年」「イニシエーション・ラブ」「十二人の死にたい子どもたち」などを手掛けた、堤幸彦氏。

厳しい選択を迫られた夫婦役を、篠原涼子・西島秀俊が演じる。

キャスト

播磨薫子・・・篠原涼子
播磨和昌・・・西島秀俊
星野祐也・・・坂口健太郎
川嶋真緒・・・川栄李奈
美晴・・・山口紗弥加
進藤・・・田中哲司
薫子の父・・・斉木しげる
門脇・・・大倉孝二
江藤・・・駿河太郎
警察官・・・ミスターちん
池内徹也・・・遠藤雄弥
ハリマテクスの役員・・・利重剛
播磨瑞穂・・・稲垣来泉
播磨生人・・・斎藤汰鷹
若葉・・・荒川梨杏
宗吾・・・荒木飛羽
播磨多津朗・・・田中泯
千鶴子・・・松坂慶子

あらすじ

2人の子どもがいる播磨薫子(はりまかおるこ)と播磨和昌(はりまかずまさ)。

夫の和昌はIT系機器メーカー・ハリマテクスの社長を務めている。

2人は長女・瑞穂の小学校受験が終わったら離婚することになっていた。

ある日、瑞穂がプールで溺れ意識不明の状態になる。

慌てて駆けつけた薫子と和昌に医師が突きつけたのは「脳死状態にある可能性が高い。」ということだった。

混乱する2人に医師は続けて、延命措置をこのまま続けるか脳死判定をして臓器提供をするかの選択を迫ります。

心優しい瑞穂の意思を汲み取り、臓器提供の決断を下した2人だったが、お別れのときに瑞穂の指がかすかに動くのを見て、「瑞穂は死んでなんかない!」と決断を一転。

薫子の母・千鶴子などと、自宅での瑞穂の介護が始まります。

そんな中、和昌が会社から仕入れてきた情報により前例のない延命措置を瑞穂に受けさせる。

それは自分の意思ではなく、筋肉に直接働きかけて運動をさせるというもの。

体は成長していくが眠ったままの瑞穂を外に頻繁に連れ出す薫子に、次第に周囲の人々は気持ち悪がり、和昌や千鶴子も怪訝な表情を見せる。

それは長男・生人にも影響が及んでいた。

その状況を把握した薫子は、包丁を瑞穂に突きつけてこう尋ねる。

「病院の医師からはおそらく脳死と言われています。すでに死んでいるのに、この子を刺したら、殺人罪に問われますか?娘を殺したのは私でしょうか。」

感想

堤幸彦作品で度々見かける、空中から街中を撮ったシーンが最高に活きている作品だと思います!

雨や、家に差し込む光の描写がタイトルの「人魚の眠る家」というのにとても合う雰囲気の作りで、とにかく美しいです。

脳死と心臓死、どちらで娘の生涯を終えるか…

選べてしまうその状況は両親にとってどれほど辛いものでしょうか。

他の多くの国では、脳死をもって人の死としている中、日本では臓器移植をしない場合は心臓死をもって死とする、となっています。

今脳死状態ではあるが生きている我が子を、死んだと、そう判断できるのが親の自分たちしかいないというのは恐ろしく絶望的です。

延命措置を続けることを決めてからの播磨家はイキイキとしていましたが、最新技術で眠りながら成長していく瑞穂は、どこか人形のようで怖く感じました。

本当に瑞穂は生きていると信じて疑わなかったのは母・薫子だけでした。

薫子が最後に見せた、瑞穂に包丁を突きつけながら尋ねるシーンやセリフが圧巻です。

「この子を殺して殺人罪に問われるなら、喜んで刑に服します。この子が生きていた、とお墨付きをもらえるのだから…」

なんて切ない言葉なのでしょうか…

私は、これは歪んだ愛や狂っている母親などではなく、ただ娘と生きたかった母のひたすらな願いに思えました。

夫の和昌はいつも冷静で家族に興味がないような態度で、離婚の話になったときにも薫子に「あなたは泥にまみれない。理性なんかで諦めないで、土下座してでも家族のこと失いたくないって必死になってほしかった」と言われてぐうの音も出ない様子でした。

そんな和昌も、薫子が瑞穂を殺そうとしたときに必死に瑞穂にしがみついて「殺さないでくれ!」と涙を流します。

その様子がやっと和昌の心の内を見られた感覚になってとても胸を打たれました。

作品内では登場人物それぞれの色んな思いが飛び交います。

複雑な内容の作品なので、見ている人もそれぞれの意見があると思います。

結末とは違った意見でもどこか共感できる言葉が見つかるはずです。

この物語を最後まで見た人は、結末に圧倒されるだけではなく、どこか自分に寄り添ってくれている優しい気持ちになれるのではないでしょうか。

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