「万引き家族」から考える社会問題【youtubeも紹介】

邦画
この記事は約5分で読めます。

予告編動画

犯罪でしか繋がれない一家…彼らは「万引き」という犯罪で、生計を立てていた。

『万引き家族』は、日本人監督作品として21年ぶりに第71回カンヌ国際映画祭で、最高賞のパルム・ドールを獲得した、是枝裕和監督の作品です。

この家族は善なのか悪なのか!?

本作はその名の通り、貧しい家族が万引きをしながら生計を立てている姿を描いています。

公開時には「万引きを肯定する映画ダ~!」「犯罪を助長する」「日本人を悪のように貶めている!」…等々、一部の議員さんの批判を含め、世間から多くの声が集まりました。

この行為は、法律では裁かれる側の人たちではあるけれど、こういう設定の映画です。

薄汚れていても豊かな日常

この家族には、軽犯罪を犯し毎日の生活が薄汚れていても、豊かな日常があります。

だらしない食事と服装、身を寄せ合う貧乏暮らしでも笑いが絶えなく、血の繋がらない者同士の共同体でも、温かさと思いやりに満ち溢れているのです。

だからこそ、この家族の関係がひび割れていく終盤があまりにも痛ましい…。

家族の在り方とは?

『万引き家族』は、万引きを当然の行為としている、普通ではないある家族の関係を描きながら、日本の家族の在り方について考えさせられる深いテーマを持つ作品です。

本作では、未就学児童の問題や年金不正受給・幼児虐待・育児放棄・ワーキングプア・貧困など今の日本の闇の部分が詰まっています…正に柴田家の人々はその当事者の集まり!

実在一家の事件が題材!

本作は、親の死亡届を出さずに年金を不正にもらい続けていた一家の事件や、子供に万引きをさせていた一家など実在した事件を題材にし、これまで数多くの名作を世に送り出してきた是枝裕和監督が、10年の構想を経て映画化しました。

『万引き家族』は、第71回カンヌ国際映画祭において日本人監督作品として21年ぶりに、最高賞のパルム・ドールを獲得し、日本アカデミー賞では最優秀賞作品賞はじめ8部門において最優秀賞を受賞するなど、国内外において非常に高い評価を受けた作品です。

「万引き家族」のあらすじ

東京の片隅に、家族が貧しく暮らす平屋の一軒家がありました。

日雇いの仕事をする夫・柴田治とクリーニングの工場で働く妻の信代は、息子の祥太、信代の妹亜紀、母の初枝と暮らしています。

生活は初枝の年金、そして不足分を万引きで補うことにより生計を立てている家族は、貧しくとも肩を寄せ合い生きているのです。

ある寒い夜、近所の団地で凍えている女の子を見かけた治は、放っておけずに自宅に連れ帰った…。

怪訝な顔で迎え入れた信代でしたが、女の子に虐待の痣らしきものを見ると、その境遇を察し家族として受け入れていきます。

女の子は、ゆりという新しい名前を与えられ、皆と一緒に暮らし始めました。

手際よく万引きを繰り返す治と、それを教えこまれる祥太…。

しかし、ある事件をきっかけに家族の隠された過去や秘密が明らかになっていく…。

実は、柴田一家は祖母 初枝を除き、全員が偽名を使っていたのです…擬似家族?

キャスト

主演には是枝監督作品の常連 リリー・フランキー樹木希林、他に安藤サクラ松岡茉優、城桧吏、初出演の佐々木みゆ、実力派俳優の高良健吾、榎本明などが顔を揃えています。

見どころポイント

単なる万引きサスペンスのような安っぽい物語ではなく、心に突き刺さる映画!

終盤から、実は全員が偽名の擬似家族だと知った時の衝撃時から、見入ってしまいます。

貧困がゆえ、生きるために万引きをしなければいけない、仮の家族が切ない。

貧しくてお金はないけれど、沢山の情を持っている家族の妙に心温まる不思議な映画。

「万引き家族」を通して、社会の闇や家族の絆などを考えさせられてしまう…。

結局…この人達がお金を出して買っていたのは、コロッケだけだったのネ~。

現代社会が生んだ貧困問題と家族の関係

今の世の中は、弱者はより弱者になってしまう。

貧しくなってしまったのは自身のせいだとバッシングの社会が、彼らみたいな家族を生み出す。

『万引き家族』は、氷山の一角で、誰にでも起こり得る現実がいっぱい詰まってる。

是枝裕和監督の作る映画のテーマは、「家族」

  1. 福山雅治さん出演の『そうして父になる』では、出生時の病院で子供を取り違えられ、血縁と過ごした時間との間で悩む2つの家族。
  2. 海よりもまだ深く』では離散した家族のそこからの交流。
  3. 海街diary』では、親と生活することのできない姉妹たちが、腹違いの妹と家族になるというストーリー。

万引き家族のラスト

亜紀が警察で全てを話し、りん(=北条じゅり)の未成年者誘拐、初枝の死体遺棄など一家が犯してきた罪状は信代がひとりで引き受けました。

その後、信代は刑務所に入り、祥太は児童保護施設に入居し、治は一人暮らしを始めます。治は信代の元へ面会に実践したりするようですし、今後も関係を継続していくのでしょう。
亜紀に関係する描写はないが、実家へ戻られたか、一人暮らしの実現性も。

特に祥太は小学校で優れた成績を残し、趣味にも精を出すなど最も新たな生活を謳歌したりするようで、治たちとの日々に別れを告げるみたいな表情さえ見せました。
一方、親元に戻ったりんは、母親から児童虐待が復活し、治と出会った時と同じ団地の外廊下で一人きり。

そしてラストは、台に乗って外を見ようとするりんの寂しげな表情を映し出し、『万引き家族』は幕を閉じるのです。

血の繋がりが重要なのかを考えさせられる

血の繋がった家族と生活するりんの悲惨さを描いたところに、是枝監督からの問題提起があるのかもしれない。

「血縁とはうまくいかなかったけど、色んな人と縁を結んだ。」ある意味吉田秋生の『海街diary』で、とある登場人物の人生を振り返る時に登場する表現です。

人と人との縁は決して血縁だけでは、ないのです。

家庭環境に恵まれなかったりすると、友人や恋人、何かしらの同志と「」を結ぶことができます。

その血縁ではない「絆」は、血を超えた「家族」と呼んでもいいのでは、ないでしょうか?

作品情報

  • 製作国:日本
  • 監督:是枝裕和
  • 上映時間:120分
  • 日本劇場公開日:2018年6月8日

コメント

タイトルとURLをコピーしました